固定資産税と登記の面積が違う?その理由と対処法

固定資産税と登記の面積が違う?その理由と対処法

固定資産税を計算する際の面積と、登記簿に記載されている面積が異なることがあります。この違いは、相続登記や建物の種類変更登記の際にも問題となることがあります。ここでは、その原因と対応策について解説します。

1. 固定資産税の評価床面積と登記床面積の違い

固定資産税の課税標準となる面積(評価床面積)は、市区町村が独自に評価したもので、登記簿の床面積(登記床面積)とは異なる場合があります。その主な原因は次のとおりです。

  • 測定方法の違い:登記は建築確認申請時の図面を基に登録されますが、固定資産税は市区町村が現地調査や建築図面をもとに評価するため、面積が異なることがあります。
  • 増改築の影響:登記簿に変更登記がされていない場合、実際の建物の状態と登記情報が一致しないことがあります。

また、登記簿に記載されている床面積と固定資産税評価証明書の面積が異なる場合、表示変更登記が必要になります。

2. 相続登記と評価床面積の違い

相続登記を行う際に、固定資産税の評価額を基準にして手続きを進めることがあります。しかし、登記床面積と評価床面積が異なると、思わぬトラブルにつながることもあります。

例えば、相続人の間で財産分与を考える際に、固定資産税の評価額を基準にしていると、登記簿の面積と異なるため、実際の資産価値にズレが生じることがあります。相続登記を進める際は、登記情報と固定資産税評価証明書をよく確認し、必要に応じて表示変更登記を行うことが重要です。

3. 建物の種類変更登記と固定資産税の関係

建物の種類(用途)を変更した場合、変更登記を行わなければならない場合があります。例えば、住宅から事務所へ用途変更した場合、固定資産税の評価額が変わる可能性があります。

また、建物の一部を減築した場合(例えば、物置を取り壊した場合など)、登記の床面積が減ることになりますが、市区町村への届出が必要になるケースもあります。このような場合、固定資産税が適正に評価されているか確認し、必要に応じて表示変更登記を行いましょう。

4. 表示変更登記は義務

不動産登記法(第37条)では、建物の表示に関する変更が生じた場合、1か月以内に登記を申請する義務があると規定されています。

不動産登記法 第37条(建物の表示に関する登記の申請義務)
建物の所有者は、その建物について新築、増築、改築、または滅失があったときは、その日から1か月以内に、表示に関する登記を申請しなければならない

これに違反した場合、10万円以下の過料が科される可能性があります(不動産登記法 第164条)。そのため、登記面積と実際の建物面積が異なる場合は、速やかに表示変更登記を行うことが重要です。

5. 変更登記は当事務所へご相談ください

登記内容と固定資産税の評価額が異なる場合や、変更登記が必要かどうか不明な場合は、専門家へ相談することをおすすめします。当事務所では、表示変更登記や相続登記、建物の種類変更登記に関するご相談を承っております。

詳しくは、お問い合わせページよりお気軽にご相談ください。